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2004年09月16日

西洋古代史研究入門:読書日記

伊藤貞夫・ 本村凌二(編)『西洋古代史研究入門』東京大学出版会、 1997年。
ISBN 4-130-22016-0

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 最近のマイブームである「ガリア・ベルギカ」関連の調査をするために、研究動向を見てみようと思って手に取った一冊。
 
 「西洋古代史」と言われてどこからどこまでを範囲にしているのか、私たち素人にはわかりづらいものですが、これは「ギリシア・ローマ史」を指すのですね。ガリア・ベルギカ(現ベルギー・フランス・ドイツの一部)もまた帝制ローマの属州の一つとしてこのジャンルの下位に区分されるわけですが、そうなると「ドイツ史」や「ケルト学」などとの接点が見えにくくなっていると言えなくもないのかな。

 そのようなわけで、ギリシア史・ローマ史に関する簡明な概説、および両者を扱った研究動向の紹介がこの本の内容。近年の歴史学の動向を反映していて、国制史と経済史は最低限。社会史・宗教史などがピックアップされており、また「社会的結合」概念をふまえた人間関係に関する諸項目などが印象に残ります。ギリシア・ローマ時代の各ヨーロッパ周縁地域(バルカン・アナトリア・属州アフリカ・ヒスパニアなど)に関するインフォメーションもありますが、やはり物足りなく感じるのではないかと思います。

 そして「研究入門」とうたっているとおり、あくまで研究のための入門書という位置づけになっています。つまり(古代史の)歴史入門書として、「読み物として」読む本ではないかなと。その役割は他のシリーズにゆだねられていると言って良いでしょうね。

 また古典古代史というジャンルの特性上、紹介されている書籍は圧倒的に外国語書籍です。少なくとも英語で本を読んでみようという人間でないかぎり、有効にこの本を活用できない。その意味では大学生や研究志望者向けの入門書ということになるでしょう。

作成者 フルカワマサユキ

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